駐在員のレストラン選び 転じて タイムカードについて
お店(レストラン)選びの価値観
お店選びのポイントは人によって違うけど、僕は値段より味が優先する。お店をまず値段で足切する人とは、一緒に食事をしたくない。たとえば…
- お店の案を出すとまず「あの店は高い」
- お店の評価のひとつめに「コストパフォーマンス」
- サービスや味の質の低さに「この値段だからしょうがない」と寛容
でも、僕も安くて美味しい店は好きだ。問題は、好みに合ってるかと個々の足切りレベルの高さだ。
たとえば、僕の味やサービスに求める最低限の満足度のレベルを65点とすると、
- 10点の店は0点(行きたくない)
- 30点の店、50点の店も0点
- 65点の店は65点、80点の店は80点(つまり65点以上が採点の対象)
となる。こういう時に50点の満足を40点の値段で出す店に連れて行かれて『コスパがいい』とか言われると残念でならない。
僕にとってコスパのいい店は60点の満足が60点以下の値段で出てくるお店だ。
値段と労働のバランス
中国の服务员(ふーうーゆえん:ウエイター・ウエイトレス)の賃金はおしなべて低い。地域最低賃金に近い。サービスの質が著しく低い(ところもある)のも、ちょっと仕事覚えるとすぐ辞めて他の(もっと賃金が高い)仕事をしたがるのもよくわかる。同じ仕事・同じ給料であれば、手を抜いた奴の勝利だ。
アメリカの服务员も同様にすごく給料安いけど、彼らはチップがあり、頑張ったら頑張っただけ、チップだけで相当な収入になるくらい稼げる。店長が黙っててもお客様のために自分で考えて頑張る。そうやってサービスの質を向上させてきた。マネジメントの勝利だ。
日本の服务员も同様にけっこう給料安いけど、すごくサービスがいい。不必要に真面目だ。目立つとネットに投稿されるから、店長も店員も金をもらっていないのに手を抜けない。苦しいのに、それが当たり前になってる。腹黒い客の勝利だ。
外国に住んでると、当たり前の事が当たり前じゃない事がよくわかる。個々のマインドやインセンティブが人を動かすべき方に動かす。同じ人間なんだけど、社会制度や常識や歴史のちょっとした違いが大きな行動の違いをつくる。
少ない時間を使って行動を大きく変えるには、行動をするまでのメカニズムを理解して、うまいところを刺激しないと、効果の薄い努力を延々することになる。
お客様の近くにいる仕事は、満足不満足がすごくわかりやすくてPDCAを回しやすい。僕はけっこう好きだ。ストレスもあるけど自分がピリッとしていられる*1し、マーケット感覚が鍛えられる。
タイムカード導入してみようかな
(全員じゃないけど)社員が始業時間通りに来ない。遅刻してもしばらくぺちゃくちゃ喋ってる。ランチは90分、夕方はもちろん定時だ。人によっては成果は何年か上がっていない。
僕は出社時間と成果が強く相関するとは思ってないけど、こんなたらたらしてて競合に勝てる気持ちにならない。まずお客様の勤務時間に時間に合わせろ、権利は売ってから主張しろ、と思ってる。マネージャとしては、お前の給料はどこから出てくるのか知ってるのか、会社に売上・利益がなくてお前の給料が出るわけないだろちょっとくらい考えたことあるのか、と思ってる。
そんな議論をしていると、個人主義の国らしいご意見が。
- 会社の業績と私の給料は関係ないです。
- 私の契約は売上じゃなく時間で決まってるから、決まった時間働いて給料もらうだけです。
ほほう。
じゃあ契約に基づいて決まった時間ボスの言うこと聞いて働いてもらおうじゃないか。きっちりな。遅刻したら罰金な。残業したら残業代払うから。実力に応じて給料変えるからな。今年度のKPI覚えとけよ。
というわけで、タイムカード*2導入決定。果たしてうまく機能するんだろうか。
マネージャの立場から導入してみるといいつつ、集団主義の国から来た元残業王としては、彼らの行動がどう変わっていくか、個人的にも非常に興味がある。
(イメージ:こういうところにお客様いっぱいいる)