とみよこ家族日記

双子子育て中のプロサラリーマンです。自分を見失わない程度に頑張って生きています。

中国で働く

自分で見聞きしたこと、人と話したことから、中国人と働くことについての一旦のまとめです。

 

ここまで働いて思ったこと

変わる・育つ事は期待しないほうがいいと思う。
  • 育てて仕事の幅を広げるとか、周りに合わせて溝を埋めるとか、期待しないほうがいいと思う。
  • やりたいビジネス、欲しいスキルセットを定義して採用で調達するのが早いと思う。
プロセスで評価とか、理解してもらえないと思う。
  • 判りやすく短期的な目標をこまめに立て、解雇のオプションもありで約束する*1ほうが適しているように感じる。
自分が指揮してチームを作って動かすのは無理だと思う*2
  • ヘッド+メンバの構成を作って、ヘッドに任せる。Job Discriptionを漏れなく作って走ってもらう。

 

理由

性格について

全員がそうというわけではないですが、中国人はプライドが高く、自分に自信を持っています(日本人にはなかなか見られない良いところ)。自分で決めたことに対してはものすごく頑張る。どちらかというと手段を選ばないようにも見えます。

反面、他人と協力するのが不得意です。上の言う事はきくけど、同僚同士が横で連携して「うまいことやる」は無理。納得できない評価や指示に対してもNOと言えます*3

 

プロセスを評価することについて

プロセス評価をすることの私なりの理解は、「結果だけを追いかけると、結果を得ることが目的になって継続性が疎かになり、継続的に良い結果を得られなくなるため」「成功要因/失敗要因をキチンと反省して、継続的に、良い結果を、誰でも得られるようにチューニングしながら強い組織を育てるため」ですが

結果以外の評価指標がある事自体が中国では理解され難いと思います。

環境変化や成長のスピードが早いので反省や横展開よりもやってみるほうが効果的な気がします。

 

中国という国の捉え方について

香港があることで「中国は1国2制度」といわれますが、香港に限らず、中国には発展度合いが様々なたくさんの国が集まっていて、同じように捉えられないと思ったほうがよさそうです。言葉ではわかっててもスケールが違うのでなかなか難しいです。

以前書いた”新卒社員と経営者の給与格差は日本の平均14倍、中国の平均100〜200以上”って、新卒社員が年収300万なら日本の経営者は4200万、中国の経営者は3〜6億円ってことで、一人当たりの名目GDPで調整しても、日本とそんなに変わらない、または日本以上の高額所得者がモリモリいて、その収入を得られるビジネス、マーケットがあると言っていいと思います。

中国のひとつの顔は安い労働力をアテにしての製品生産拠点ですが、もうひとつの顔は世界最先進国の顔です。「日本で売れているものは外に持って行っても売れる」ってひと昔前によく聞いたことありますが、相手と競合をちゃんと考えたほうがいいと思います。

また、金融やITは物流や在庫がないためサイクルが短く、PDCAが比較的早く回りやすい産業です。人口が多いということはそれだけ試行回数が多く、歴史が浅くても先進国に追いつける可能性も多々あります。ITに限っては金融のような規制も少なく、いろんなトライができるので可能性も広いです。そこに来て日本の製品そのまま持ってきて売るって相当難しいです。

そんなわけで、例えば”欧米先進国に行って日本人の現場マネージャおいて事業を仕切らせ”たりしないように、中国でもそういうのはやめたほうがいいと思うんです。制度・慣習・人事含めてローカルスタッフになるべく権限を移譲して、ここの市場でうまく役割分担して製品を作って売る方法を考えたほうがいいと思います。

世界の名目GDP(USドル)ランキング

http://ecodb.net/ranking/imf_ngdpd.html

世界の一人当たりの名目GDP(USドル)ランキング

http://ecodb.net/ranking/imf_ngdpdpc.html

世界の人口ランキング

http://ecodb.net/ranking/imf_lp.html

 

  • 会社が社員の面倒をみる価値観は中国にはない。
  • 会社が長く続くことに関する価値観は中国にはない。*4

創業150年以上の老舗企業は中国にわずか5社、日本に大きな後れ―中国メディア

http://news.livedoor.com/article/detail/6575944/

List of oldest companies

http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_oldest_companies 

 価値観の話になると「あなたは次の人生はどっちに生まれたい?」くらいのものですが…

  

終わりに

管理職になってすぐ、有名な課長本などを読んでみました。しばらく後に、管理職としての初めて部下が中国人になり、消化にしばらく時間がかかりました。世界中で古典になっている本もあるので、たぶん私のマインドに問題があったのでしょう。

同じ国・前提・文脈で読むからこそ使える部分は、そういう部分である認識をして、相手の国・前提・文脈に合わせた応用をすべきですね。もちろんパーソナリティの部分(国や制度に関わらずあなたのできること)の教訓も多いです。

思えば昔付き合った中国関連企業の皆さんにも苦労をかけたところもたくさんあったと思います。昔はそうだったといえばそうだったし、気づいて是正していた部分もなくはないけど、もっと良いやり方があったかも知れません。

近い将来の日本での研修の前に、一旦考えをまとめておきたかったこともあり書きました。現実の私の優秀な部下との会話などもちろん影響はしていますが、前提条件が異なるため本人とは一切関係ありません。

そうか、君は課長になったのか。

そうか、君は課長になったのか。

 

 

*1:実際、終身雇用形態は見たことないです

*2:中国の企業に、中国の社員で営業をする場合

*3:欝も少ないんじゃないですかね

*4:優劣じゃなくて価値観だと思う。もちろん長寿企業の価値を一切否定するものではありませんが