ロスト・イン・トランスレーション
私の勤める会社、パートナー会社はほぼ全部が日系企業もしくは日系企業を相手にしたことのある中国資本企業です。
仕事の話は基本的には日本語で進めます。中国語のみの人も多いので集団の会議は日本語⇔中国語の翻訳を入れます。
…これがなかなかうまくいかない。
翻訳の際によく落ちます。僅かな表現や、IT・ビジネス知識のバックグラウンドの違いで、なかなか伝わらない。いろんな表現で繰り返し話したり、ホワイトボードでコンセンサスを作ったり、キーワードだけ書き出したりします。
もうひとつの欠落は、個人の思い込み、持って行きたい方向、そしてビジネス文化の違い。「なぜこの仕事を今やらなければならないのか」「なぜあなたなのか」ということが、正確に翻訳しても理解されてないと、理解されても納得していないと、どこかで転ぶことになります。
日本語が相当達者な人と話しても、この点が理解されないとずっと平行線。正確に翻訳しても、真意が伝わっていないのが当たり前。
オフショア開発(中国企業へのプログラム開発の委託)をしていた頃は設計書という便利なインターフェースがあって、経験が蓄積されて伝達効率も上がってくるのですが、営業・企画・交渉のビジネスになるとそうも言っていられない。そもそも全てを中国ローカルスタッフに任せてしまう手もあるんですが、私の仕事はそうもいかない。
お互いにストレスがかかってて申し訳ないと思うけど、こればっかりは『言葉以外にお互いの歴史・文化・経験・哲学が違う』って事を前提に根気よくやっていくしかないし、その為に尊敬しあえる仲になりたいなーと思います。
相互理解は難しいです。
※リンクは2003年の映画で、ストーリーはあまり関係ありません。相互理解は難しいです。